再演ツアーに寄せて

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去年末に上演した、『駈込み訴え』を再演します。

​しかも初演時の会場である喫茶フィガロだけでなく、大坂、兵庫、滋賀、奈良の四か所でも行います。

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『駈込み訴え』は太宰治が著した小説で、キリストの居場所を弟子のユダが密告した際に、役人に何を話したのかをユダの話し言葉という形で書いたものです。

そこに書かれているのはほとんどがキリストに対する愚痴です。自分がどんなに働いても評価してもらえないという、現代の社会人が勤め先の上司に対する愚痴をしゃべっているかのようです。誰にでもわかる、どこでもやれるような話だと思いました。

私がやりたかったことにピッタリだと思いました。劇場でなくてもでき、どこにでも持って行って、いつでもやれる、わざわざ遠くの劇場まで来てもらうのをラインやTwitterで呼びかけながら待つのでなく、こちらから近くまで行ける演劇。

そして自作の脚本でなく、誰でも読めて親しみやすく（青空文庫で読めます）、演劇を観たことのない人にも興味をもってもらいやすい作品。

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こういう作品を、もっと作っていきたいと考えています。

第一作です。一人でも多くご覧いただけますように。

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​役者でない　児玉泰地